「姿勢を治せば痛みは治る」は本当?科学的根拠から考える
- 大輔 新江
- 7月27日
- 読了時間: 2分
「姿勢が悪いから腰痛になっています。」
「猫背を治せば肩こりはなくなります。」
「骨盤の歪みを整えれば痛みは改善します。」
このような説明を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、現在の医学・リハビリテーションの研究では、「姿勢を整えるだけで痛みが改善する」という考えを裏付ける十分な科学的根拠はありません。
「姿勢が悪い=痛い」は成り立たない
もし姿勢が痛みの原因なら、猫背の人は全員が肩こりや腰痛を抱えているはずです。
ですが、実際には猫背でも痛みなく生活している人はたくさんいます。一方で、姿勢がきれいな人でも慢性的な腰痛や肩こりに悩んでいる人もいます。つまり、姿勢だけで痛みを説明することはできません。
2019年に『Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy(JOSPT)』で発表された論文では、**「姿勢と痛みの関連は一般的に考えられているほど強くない」**と報告されています。また、「悪い姿勢だから痛い」という説明を繰り返すことで、患者さんが身体を必要以上に恐れるようになり、かえって痛みが長引く可能性も指摘されています。
痛みはもっと複雑です
痛みは姿勢だけで決まるものではありません。筋力、関節の動き、身体の使い方、活動量、睡眠、ストレス、過去のケガなど、さまざまな要因が重なって生じます。
だからこそ、姿勢だけを変えても痛みが改善しない人が多いのです。
「姿勢を直す」ことが悪いわけではない
誤解していただきたくないのは、姿勢を見直すこと自体を否定しているわけではありません。姿勢が変わることで動きやすくなったり、負担が分散したりすることはあります。しかし、それは痛みが改善するための一つの要素であり、「姿勢を直せば痛みは治る」と言い切れるものではありません。
私たちが本当に見るべきもの
リハビリでは、姿勢だけを見ることはありません。
なぜ痛みが出ているのか
どの動きで負担がかかるのか
筋力や柔軟性はどうか
歩き方や身体の使い方はどうか
これらを総合的に評価し、その人に合った治療や運動を提案します。「姿勢が悪いから痛い」という単純な説明では、本当の原因を見逃してしまうことがあります。
もし長年痛みに悩んでいるのであれば、「姿勢だけ」を見るのではなく、身体全体を評価することが改善への近道になるかもしれません。
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