初めに断っておくと、風邪は人にうつすと早く治るというような医学的な根拠は全くありません。誰が言い始めたのか。。。そもそも、風邪だけでなく、何かしらの感染症を人にうつすというモラルのない表現は、今も昔も医学を学んだものとしてはさすがに肯定は全くできません。
風邪とは、病院では風邪症候群と言われます。症候群なので、感冒症状や上気道炎など様々な症状が認められます。体を冷やしたり、空気が乾燥することで風邪になるのではなく、ウイルスに感染することで風邪をひきます。体が冷えると、免疫機能が低下するので風邪ウイルスに感染しやすくなるし、空気が乾燥することで風邪ウイルスが活発に活動しやすくなる、というワケです。つまり、ウイルスが体に入らなければ風邪には罹りません。だから、うがい、手洗いなんです(新型コロナウイルスで勉強しましたよね)。
風邪ウイルスに感染して、症状が出るまで大凡1週間程度(文献の平均値としています)となります。症状が出てから1-2日が人への感染リスクが高まる時期。そして、風邪症状が治まるまで1週間程度。
併せると、自分が風邪ウイルスに感染してから治るまでの経過と、他人に感染させて他人に症状が出る時期が重なってくるのです。
つまり、風邪を他人にうつした場合、自分の風邪が治る頃に、他人の風邪症状が出る。ここから、風邪は人にうつすと治ると言われたのだと考えられます。
医学的な根拠がない時代に、誰かが風邪に罹った方を、感染した方を、注意深く観察、もしくは看病をして導き出した結論なんだと思いますね。
なんだかロマンを感じます。エモいですね。
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