歩くことから始めない歩行練習
- 大輔 新江
- 3 日前
- 読了時間: 2分
「歩き方がおかしいから、とにかく歩きましょう。」
脳卒中片麻痺のリハビリでは、この考え方だけでは十分ではありません。
実は、歩行を安定させるために最も重要なのは立脚期です。立脚期とは、足が地面について体重を支えている時間のこと。この時間が確保できないと、・足がすぐ離れてしまう・体が左右に大きく揺れる・健側に頼った歩き方になる・歩行速度や持久力も伸びにくくなります。では、立脚期を安定させるには何が必要でしょうか?
答えは骨盤帯の安定性です。
骨盤帯は体幹と下肢をつなぐ土台です。片脚で体重を支える瞬間に骨盤が安定すると、股関節周囲筋(特に中殿筋など)が効率よく働き、重心を安全に支えられるようになります。
逆に骨盤帯が不安定なまま歩行練習を繰り返すと、代償動作が強くなり、歩行パターンが固定されやすくなります。
そのため、当施設では✔ 骨盤帯・体幹の安定性を評価✔ 片脚支持を支える筋活動を引き出す✔ その上で立脚期を意識した歩行練習という流れを大切にしています。
「歩く練習」ではなく、「歩ける体をつくる練習」。
これが歩行能力の改善への近道です。
【エビデンス】・脳卒中後の歩行能力は、立脚期の荷重能力や片脚支持時間と強く関連することが報告されています(Balasubramanian CK, Bowden MG, Neptune RR, Kautz SA. Journal of Biomechanics. 2007)。・体幹・骨盤帯の安定性は歩行速度、バランス能力、歩行の対称性に関連し、体幹トレーニングを併用することで歩行能力の改善が期待できることがシステマティックレビューでも示されています(Pollock A, Baer G, Campbell P, et al. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2021)。
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